原題：BERNIE
本編時間：82分
制作年：1996年
制作国：フランス
監督・脚本：アルベール・デュポンテル（『アレックス』『ロング・エンゲージメント』
音楽：ラモン・ピパン（『恋の邪魔者』『愛しのエレーヌ』）
撮影：ギヨーム・シフマン（『オディールの夏』）
編集：ジュリエット・ウェルフリング（『天使が隣りで眠る夜』『いちばん美しい年令』）
出演：アルベール・デュポンテル　クロード・ペロン　ロラン・ブランシュ（『ニキータ』）　エレーヌ・ヴァンサン（『人生は長く静かな河』『トリコロール／青の愛』）　ロラン・ベルタン（『ディーバ』『髪結いの亭主』）
紹介：
愛と暴力のリターンマッチ！無垢なる男が両親を捜し求めて、殺人行脚！フレンチ・アヴァンギャルド・ラヴ・アンド・トラッシュ・ムービー！
赤ん坊の時に捨てられて以来、孤児院で30年過ごしてきたベルニー。外の世界を求めて施設から出たベルニーは、自身の両親を捜すことにするが、その旅は、純粋な彼と不純な社会との間に巻き起こる、愛と暴力の闘争と化すのだった…。　ギャスパー・ノエの『アレックス』で暴行犯に凄惨な復讐をする青年を演じたアルベール・デュポンテルが監督・脚本・主演を兼ねて放ったブラック・コメディ。ベルニーに悪意はなく、彼は自身から沸き起こる愛と正義に突き動かされ、当然の行動をとっているだけだ。しかし、偽りの愛と正義に安寧を覚える世間の人々にとって、彼は理解できない異常者にすぎない。理解されない愛は暴力となる。ベルニーは行く先々で自分が「敵」と認識した人々の頭に容赦なくショベルを叩き込む。スコーン！と気持ち良いくらいの音を奏でて、ベルニーが人々の頭を叩く度に観ている我々の胸は痛む。ベルニーと出会い、行動をともにすることになる孤独な女も痛ましく、終盤で彼女が発する台詞「何かを25年待っていたけど、やってきたのは頭のおかしい男だった」は切ない。ギャスパー・ノエ、ジャン・ピエール＝ジュネ、ジャン・ユーグ・アングラードも絶賛し、本国フランスで100万もの観客を動員。1997年セザール賞第一回監督作品賞にもノミネートされた傑作。